2025/04/11 10:48

今回はギタリストの必需品とも言えるエフェクターについてのお話です。
エフェクターとは、
楽器(特にギターやベースなど)の音や歌声にさまざまな効果(エフェクト)を加えるための機器のことです。
エフェクターには様々な種類がありますが、音色や役割、電気的な処理で分類すると
・歪み系
…音をひずませる。
・モジュレーション系
…音を揺らす
・空間系
…残響音や空間の広がりを作る
・イコライザー系
…特定の周波数帯域に影響を与える
・ピッチシフト系
…別の音程を作り出したり、音程を変化させる
・制御系
…音量を調整する
などに分類されます。
ギターのエフェクターについて基本的なものを紹介します。
歪み系
・オーバードライブ
過大な入力や増幅によって音を意図的にひずませるエフェクターです。
ディストーションよりも柔らかく、ナチュラルな歪みが特徴で、真空管アンプを強く鳴らしたときのような温かみのあるサウンドを再現します。
単体でクランチ〜ミドルゲインの歪みを作るのはもちろん、ブースターとして使ってアンプや他の歪みエフェクターを押し出す使い方も人気です。
ジャンルや演奏スタイルに応じて、幅広いシーンで活躍する万能な歪み系エフェクトです。
・ディストーション
音の波形を大きく変化させて、強くひずませるエフェクターです。
一般的にはオーバードライブよりも高いゲイン(ハイゲイン)で、より激しく、攻撃的な歪みが特徴です。
ロックやメタルなど、力強くパンチのあるサウンドが求められる場面でよく使われ、厚みのあるパワフルな音作りに適しています。
音を大きく歪ませることで、サステイン(音の伸び)も豊かになります。
・ファズ
音を極端にひずませて倍音を強調するエフェクターです。
他の歪み系(オーバードライブやディストーション)よりもさらに過激で、ザラついた、荒々しく潰れたようなサウンドが特徴です。
一見ノイズのようにも聞こえるその音には、独特の味や存在感があり、60年代のガレージロックや現代のサイケ・オルタナ系でもよく使われています。
ただし、音の輪郭がぼやけやすいため、コード弾きよりも単音フレーズ向き。リードやリフで個性を出したいときにピッタリなエフェクトです。
“クセが強いけどハマると病みつき”になるひずみです。
モジュレーション系
・コーラス
音にわずかな揺れ(ビブラートのような効果)を加えることで、厚みや広がり、深みを演出するエフェクターです。
もともとの音に、ほんの少しだけピッチやタイミングをずらしたコピー音を重ねることで、あたかも複数の楽器や声が同時に鳴っているような響きを作り出します。
エレキギターやシンセ、ボーカルにかけると、ふんわりとした空気感や幻想的な雰囲気が生まれ、バラードや80年代風サウンドにもよく合います。
・トレモロ
音量を周期的に小刻みに変化させるエフェクターです。
ピッチ(音の高さ)ではなく、ボリュームの揺れによってリズミカルな効果やうねりを加えます。
ゆっくりかければゆらゆらとした心地よい揺れ感、速くすれば細かく震えるようなトリッキーな演出ができます。
ギターやエレピなどに使うと、ヴィンテージ感やサイケデリックな雰囲気を出すことができ、曲の雰囲気を一変させるスパイス的存在です。
空間系
・ディレイ
音を一定の時間遅らせて繰り返し鳴らすエフェクターです。
まるでやまびこ(エコー)のような効果が得られ、音に奥行きや広がりを加えることができます。
アナログ、デジタル、テープエコーなど種類も豊富で、それぞれに音の質感や特徴があります。
複数のディレイを重ねて幻想的な空間を演出したり、うっすらと使って繊細で絶妙なニュアンスを加えることも可能です。
楽器やジャンルを問わず幅広く使える、表現力豊かなエフェクターのひとつです。
・リバーブ
音が空間に反響して残る“残響音”を再現するエフェクターです。
イメージとしては、ホールや風呂場で声を出したときのような広がりや響きを加えるものです。
音にリバーブを加えることで、空間的な奥行きや臨場感、自然なつながりが生まれ、ドライな音を滑らかに整えてくれます。
リバーブにはさまざまな種類があり、
・Hall(ホール):コンサートホールのような壮大な響き
・Room(ルーム):小さめの部屋での自然な反射
・Plate(プレート):金属板の振動を使った、なめらかで密度のある響き
・Spring(スプリング):ギターアンプなどに使われる、バネっぽい質感のある残響
など、それぞれに個性的なキャラクターがあります。
使い方次第で、広がりのあるバラードにも、タイトなリズム重視の曲にもフィットさせられる、音作りに欠かせない空間系エフェクトです。
イコライザー系
・ワウ
特定の周波数帯を強調しながら動かすことで、「ワウワウ」と音色を変化させるエフェクターです。
ペダルを踏み込むことで強調される帯域が移動し、まるで人の声のような抑揚のある効果が得られます。
ギターソロでの表現力アップや、カッティングにアクセントを加えるのにピッタリで、ファンク、ロック、ブルースなど幅広いジャンルで活躍します。
自動でワウ効果が得られる「オートワウ」もあり、リズムに合わせたモジュレーション的な使い方も可能です。
感情を込めた“しゃべるような演奏”をしたいときに、とても効果的なエフェクターです。
制御系
・コンプレッサー
強すぎるアタック音を抑え、逆に減衰していく音を持ち上げるなど音量の変化幅を圧縮する。
簡単に言うと、大きすぎる音は抑えて、小さすぎる音は目立たせてくれることで、全体的に聞きやすく、まとまりのある音にしてくれます。
他にも様々なエフェクターがありますが、
以上が比較的よく使うエフェクターです。
エフェクターについて初めて学ぶ方は、まずは動画などで実際の使われ方を見たり、曲の中でどんな風に音が変化しているかに注目してみましょう。
リバーブやディレイなど、意外と日常的に耳にしている効果に気づくはずです。
少しずつ理解が深まってきたら、Cubase AIに付属している基本的なエフェクターを実際に使ってみましょう。
音に効果を加えることで、表現の幅が一気に広がります。まずはシンプルなエフェクトから試して、音の変化を楽しんでみてください!
すでにお気に入りのエフェクターをお持ちの方は、もちろんそれらを使って録音することも可能です。
普段使い慣れている機材で音作りをすることで、自分らしいサウンドをそのまま作品に活かせます。
また、最近のアンプシミュレーターも非常に高性能で、リアルなサウンドや幅広い音作りができるものがたくさん登場しています。
実機のエフェクターと組み合わせて使ったり、ソフトウェアだけで完結させるのもおすすめです。
自分のスタイルに合わせて、自由に音作りを楽しんでください!