2024/11/15 12:01

世の中には、作品を創作した人(著作者)に認められる『著作権』という権利があります。

たとえばあなたが音楽でも美術でも、何かを創作したとして、
それを他人が勝手にコピーしたり、自分が作ったものとして販売されたらどうでしょう?
本来自分に入るはずだった利益が入らない…そもそも苦労して創作した作品を
そんな風に扱われるなんて、と悔しい気持ちになると思います。

そういった事態を防ぐために『著作権』は存在します。
著作権は著作者がもつ権利を保護し、著作物の公正な利用を確保します。

★著作権はいつから発生するの?
著作権のお話をするうえで、欠かせないのが【ベルヌ条約】です。
【ベルヌ条約】とは、1886年にスイスのベルンで締結された、著作権を国際的に保護するための条約なのですが、
日本はこの条約の加盟国であり、条約に基づいて著作権法が制定されています。
【ベルヌ条約】の特徴として、「無方式主義」がありますので
著作物が作られたと同時に、手続きや申請などをしなくても著作権が成立します。

★『著作人格権』と『著作財産権』
著作物を保護する権利の中には『著作人格権』と『著作財産権』というものがあります。
『著作人格権』とは、簡単に言うと著作者が精神的に傷つけられない権利のことで
人間の尊厳にかかわるものです。
『著作財産権』とはその名の通り、著作者の財産的な利益を保護するためのものです。
細かく分類すると、公表権や複製権、翻訳権など幅広くあるのですが、
とにかく著作者の尊厳を守ることと、財産的な利益を保護するために
これらの権利が存在していると覚えておきましょう。

★音楽の著作権を管理する団体
日本にはこういった著作権を管理している団体もあります。
一般社団法人日本音楽著作権協会、JASRAC(ジャスラック)というと
聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?

社会で過ごしていると、ありとあらゆる場所で音楽が聞こえてきます。
テレビ、ラジオ、カラオケ、Youtube、結婚式会場…
もうお分かりかと思いますが、ここで使用するのにも当然、著作者から許可を得たり、著作者に使用料を払う必要があります。
しかし、著作者がそれらをすべて把握して使用料をもらうというのは現実的ではありませんので
そういう時に、JASRACは代理として調査をしたり使用料を徴収をしたりします。
もちろんこれはJASRACと契約している人に限ります。

使用料を求める範囲などに、様々な声があがるJASRACではありますが
音楽を制作する側にとっては味方となる存在です。

★まとめ
なんとなく理解しているようで、意外に知らないことも多い著作権のお話ですが
これを見ているあなたも関係のないことではありません。

DTMで音楽を制作するのであればなおさら、シビアに考えなくてはなりません。
以前サンプリングについての記事でも書きましたが、
音楽を制作する際にはサンプリングという手法が用いられることもありますので
もし、存在している楽曲の一部をサンプリングするのであれば
必ず今回のことを思い出して、著作者からの許可、又は著作権料を支払うようにしましょう。

もちろんあなたが創作したものも、その時点で著作権が成立しますので
侵害されるようなことがあればすぐに対応しましょう。

『過去の楽曲にリスペクトを、音楽におけるサンプリング』記事はコチラ