2024/11/08 16:00

劇伴(げきばん)とは…

映画やテレビドラマ、演劇、アニメ等の視覚作品に合わせて流される音楽であり、
転じて音楽ジャンルのひとつ。「劇中伴奏音楽」の略称。(Wikipedia抜粋)

サウンドトラックやBGMというと、イメージがつきやすいのではないでしょうか?
厳密に言うと少し違いはありますが、劇伴は作品を彩り、より壮大にするために欠かせないものです。

劇伴は歌手が自分の曲を作って出すのとは訳が違い、主役はあくまでも作品です。
劇伴作曲家は、原作や映像を観て内容を理解し寄り添い、
作品制作者の思いも汲み取ってそれをうまく音楽に落とし込んでいくという
とても繊細で難しい作業を行います。

日本にはそんな音楽をつくりあげる天才的な劇伴作曲家たちが多く存在します。

★劇伴作曲家一部紹介

①久石譲
知らない人はいないであろう、日本を代表する作曲家。
『あの夏へ』『人生のメリーゴーランド』『アシタカとサン』
など多くのジブリ作品で登場する音楽を制作しております。
美しい旋律が特徴的で、聴く人をその世界へ連れて行ってくれるような魅力があります。

②澤野弘之
劇伴作家を語るうえで避けては通れないのがこの人物。
『Attack on Titan』『YouSeeBIGGIRL/T:T』『Perfect Time』
など「進撃の巨人」や「七つの大罪」など、多くの有名アニメ作品に登場する音楽を制作しており
壮大な音楽と、ボーカル曲が多いことが特徴として挙げられます。

③梶浦由記
【梶浦語】といわれる、歌詞に意味を持たせない独特な造語のコーラスを
曲中で使用していることが特徴で、NHKの歴史秘話ヒストリアのテーマ『Historia:opening theme』が
わかりやすい例として挙げられます。
他にもアニメ、「魔法少女まどか☆マギカ」の『Credens justitiam』でも【梶浦語】が使用されています。
また、劇場版「鬼滅の刃」無限列車編の主題歌『炎』をLISAさんと共作したことでも有名になりました。

④横山克
人気アイドルへの楽曲提供やアニメドラマなど幅広く制作を行っている作曲家。
アニメだと「機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ」「四月は君の嘘」等の劇伴を手掛けています。
特に「四月は君の嘘」では、クラシックを題材とした作品であったため
作中にも多くのクラシック音楽が使用されておりますが、
その世界観を壊さないようなサウンドが作られております。

⑤中川幸太郎
スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズといった東映特撮作品の劇伴を手掛けることが多い作曲家。
音楽家の家系に生まれ、主に金管楽器を用いた曲作りが特徴的です。
特撮作品では、2000年に放送された未来戦隊タイムレンジャーの挿入歌から
現在に至るまで、数多くの作品に参加されています。

上記で記述した通り、劇伴はあくまで作品が主役ですので、作品より出すぎず
けれども見ている人達に伝えたいシーンをより印象付けたり
時には場面の説明的役割を持つこともあり、作品にとって欠かせないものです。
映像だけ見て伝わるものでも、やはり音楽がつくと説得力も違います。

逆に音楽だけを聴いてみると、一気に映像が頭の中で浮かび上がってきて
あの作品のあのシーンを観た時のあの感情まで蘇ってくるから音楽というものは本当にすごいですね。
音楽の持つ力で作品をより深いものにしてくれる『劇伴』にこれからも注目です!